卵が先かニワトリが先か

古くから言われてきたこの問題に“結論”が出たそうです。


http://www.cnn.co.jp/fringe/CNN200605260024.html

彼らの言う「結論」は――「卵」だ。

生物の遺伝物質は生きている間には変わらない、というのがその理由。ニワトリ以外の鳥が途中でニワトリになることはなく、ニワトリの遺伝物質をもった卵を生むこともないという理屈だ。

このことから彼らは、最初のニワトリは卵の中でニワトリの遺伝物質をもつようになったと主張。この「進化した卵」こそ、現在数多あるニワトリの卵の最初だったとしている。

卵が先。だそうです。
ここで1つ疑問が生じる。
ニワトリではない何かから生まれた卵は「ニワトリの卵」なのか?
それに対する回答がこちら。

「進化した卵」がニワトリ以外の鳥から生まれたのだとしたら、それはニワトリの卵とは呼べないのではないかという主張については、「ニワトリが中にいるのなら、それはニワトリの卵だ。カンガルーが温めていた卵からダチョウが生まれたら、それはカンガルーの卵ではなくダチョウの卵だ」(哲学者)と反論している。


これは良い屁理屈ですね。
ニワトリ以外の鳥が"生んだ"卵とカンガルーが"温めていた"卵がまったく違う次元の話だってことに気づいてないわけはないでしょう。



今俺は、友人から99.9%は仮説を借りて読んでます。
この本では、科学でホントに証明されている現象なんて実は少なくて、その多くが何らかの仮説に基づいていると主張しています。
(まだ読み始めたばかりなので、最後までこの主張のままでいくのかは不明ですが)
なんだかちょうどいい例が飛び込んできたような印象です。
お偉い学者さんが「これが結論」と言ってしまえば、案外それが正しいとされてしまう。みたいな。



とりあえず俺も便乗してちょっと考えてみたいと思います。
この問題に関しては人力検索はてなに詳しい。
ほとんどの参考URLがリンク切れしてしまっているのが残念ですが。
特に俺が気になったのは

「卵が先かニワトリが先かは質問のしかたが間違っているので答えがない」

という部分。
それは確かにある発想かもしれない。


問題を整理しよう。
ニワトリの卵はニワトリが産むのだから、ニワトリが先。
しかし、そのニワトリはニワトリの卵から生まれたのだから卵が先。
じゃあどっちが先なのさ?
そこでとりあえず一番最初までさかのぼってみる。
つまり


ニワトリ以外の何か -> 卵 -> ニワトリ


という瞬間がどこかにあったはずなのだ。
それは確かのような気がする。
ツバメの雛が大きくなったらニワトリになったなんてお話は「みにくいアヒルの子」で十分だ。


ここで鍵となるのは「卵」の捉え方ではないかと俺は思う。


この卵からニワトリが生まれたのだから、それはニワトリの卵だ。とするならば、


ニワトリ以外の何か -> ニワトリの卵 -> ニワトリ


となり、卵が先という結論が得られる。
一方、ニワトリ以外の何かが生んだ卵なのだから、それはニワトリ以外の何かの卵だ。と捉えるならば、


ニワトリ以外の何か -> ニワトリ以外の何かの卵 -> ニワトリ


となり、ニワトリが先。という結論が導けないだろうか?
要は仮定のおき方によって導かれる結論が異なる問題なのではないだろうか。


じゃあどっちの仮定が正しいのかと言われると正直俺にはわからない。
生物学的にはどう捉えるべきかみたいなものがあって、それに基づいて今回の結論が得られているのだとするとあってるのかなとも思うけどね。
記事で、「ニワトリが中にいるのなら、それはニワトリの卵だ。」と主張したのが哲学者だったという事実を考えれば、やっぱりこの辺の定義はあいまいなんじゃないかという気がするが、それは哲学に対する偏見だろうか。


まぁなんというか。
無理に結論なんか出さなくていいんじゃない?ってのがおれの結論ってことで。